FP技能検定の受験資格はいいかげん| 何のためにあるんだろう?

FP技能検定を受験するには、受験資格を満たさないといけません。3級の受験資格はお飾りのようなものですが、2級と1級にはそれなりにちゃんとしたものがあるように思えます。

でも、規定を読んでみると、試験実施機関は実は受験資格を重要視していないのでは無いかと思えてきます。なぜかと言うと、受験資格の一つである実務経験に関する規定がユルユルなのです。

さすがに学生だと、実務経験で資格を満たすのが難しいでしょうでも、社会人なら緩い規定のおかげで、実務経験で基準をクリアできる可能性がかなり大きいでしょう。真面目に他の方法で受験資格を取った人には、ちょっとかわいそうなレベルです。

このページでは、具体的に何が問題なのか、説明したいと思います。

実務経験の基準があいまい

もう一度確認しておきますが、FP2級でもFP1級でも、技能検定を受検するには一定の受験資格を満たさないといけません。受験資格を満たす方法はいくつかありますが、その一つが実務経験を積むことです。例えば2級なら、2年以上の実務経験が必要です。

ただ、何を実務経験に含めるかと言う基準は、実は、かなりあいまいです。厳密な規定が無いので、自分の仕事は実務経験に含まれるのかどうか、悩む人も多いでしょう。

どんなふうにあいまいなのか

具体的にどのようにあいまいなのか、実例を挙げて示しましょう。

試験実施機関の一つである金融財政事情研究会のサイトでは、「次のいずれかに該当する方の多くは概ね『実務経験を有する者』といえます」という前提を示した上で、いくつかの実例が挙げられています。例えば、「保険会社の代理店の職員」や「商品先物取引会社の職員」などが挙げられています。

でも、この書き方って、かなりグレーですよね。どこまでが認められるのか、さっぱり分かりません。

さすがに、保険代理店で清掃の仕事をしていれば、実務経験にはならないでしょう。それなら、保険代理店の職員で、補助的な仕事しかしていない場合はどうなのでしょうか。例えば大学生がアルバイトとして働いている場合は、実務だけど補助的な仕事で働かす場合はあり得ますよね。

こんな場合は実務経験に認められるのかどうか、さっぱりわかりません。そもそも、「該当する方の多くは概ね」なんて書き方をしている時点で、真剣に考えていないとしか思えません。

ちなみに、サイトを見る限り、バイトではNGという規定も特にありません。補助的な仕事は実務に含めるのかどうかと言う説明もありません。本当に、ユルユルという感じのルールなのです。

実務経験は自己申告

さらに酷いと思うのが、実務経験は完全に自己申告であると言う点です。しかも具体的な仕事内容を書くのではなく、何年間働いたかを数字で記入するだけです。

受験資格として本気で実務経験を問うのなら、最低でも詳細な業務内容は書かせるべきですよね。もっと厳しいところなら、何らかの証明書を求める場合だってあるかもしれません。

例えば、実務経験を書かせる欄に「3」と書いてしまえば、3年の実務経験アリと認められてしまうのです。

率直に言って、真面目に問う気が無いのではないかと思ってしまいます。

誰もチェックしていない可能性が大きい?

実務経験として年数だけを書かせるだけだと、誰もチェックしていない可能性も大きいですよね。チェックしようにも、チェックのしようがないですから。

もちろん、専門家を雇って身辺調査でもすれば出来ないことは無いでしょう。でも、そんなことをするくらいなら、最初から詳細な経歴を書かせたり、証明書類を出させたりするはずです。

さすがに20歳の学生が2年の実務経験があるなんて書くと、不振に思われるかもしれません。でも、ある程度の年齢の人なら、疑問にすら思われないでしょう。

基準があいまいだと不公平が生まれる

このように基準があいまいだと、不公平に感じる人が出てくる可能性があります。

例えば、金融財政事情研究会のサイトで挙げられた例を見て、自分が受験資格を満たすかどうか判断できなかったとします。その場合は、後で文句を言われたら嫌なので、別の方法で受験資格を満たそうとするかもしれませんよね。その一方で、同じような経験しかなくても、多分問題ないだろうと判断する人だっているはずです。

と言うことは、受験者の性格で、有利不利が生まれるかもしれません。もっと言うと、どうせばれないだろうと考え、1年半の実務経験しか持たないのに、2年の実務経験アリとして申し込む人だっているかもしれません。

さらに言うと、実務経験という字面だけを見て、自分は条件を満たしていないと判断してしまうかもしれません。こういう形でも、不公平は生まれるはずです。

受験資格を問うなら、もう少し真面目にやって欲しい

FP技能検定で受験資格を問うのも、率直に言うと意味が分からない部分があります。なぜかと言うと、今の試験制度だと、ある程度の能力が無ければ2級以上は受からないからです。受験資格なんて設けなくても、力がない人は合格できない仕組みになっているのです。

それでも、受験資格はを設けるかどうかは、試験を行う側の判断です。受験資格があること自体は、致し方ない部分はあると思っています。

しかし、受験資格を設けるなら、もう少し意味があるものにしていただきたいと思います。少なくとも、どの程度の業務をすると受験資格として認められるのかは明確にして欲しいですよね。あと、せめて仕事の内容を申告させるくらいのことはしてほしいものです。

数字を書いたら書類上はOKと言うのは、いくらなんでもね。

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