FP3級の問題は、大問5問で構成されています。それぞれの大問では、最初に状況設定の説明があります。
金融機関やファイナンシャル・プランナーなどのもとに、相談者が来たという設定で書かれる事が多いようです。そして、その相談者の職業や資産状況、年齢、家族構成、置かれている状況などが説明されていきます。
状況設定の説明が一通りあった後に、小問がいくつかあるという作りです。小問は大問1つにつき3問程度という感じでしょうか。
まあ、実際のコンサルティングのシーンをイメージして問題を作っているのでしょうね。実技試験らしい問題と言えば、実技試験らしい問題と言えそうです。
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状況設定の部分は必要が無い事も
こんなふうな問題の作りだと、状況設定から読む人が多いはずです。状況設定から読まないと、解答できない感じがしますからね。
でも、実際に出題される問題では、状況設定を読まなくても解ける問題が多いです。状況設定に関係なく、単純な知識を問うような問題も多いのです。
試験には制限時間が有る以上、時間が足りなくて最後まで問題が解けないというのが最悪の状況ですよね。ということは、状況設定を読まなくても解ける小問を、最初に解いてしまう方が、時間の使い方としては有効なのでは無いでしょうか。
状況設定から読まないと分からない問題は、後回しにしてしまえばいいのです。最終的に時間が足りなくなっても、これだったら問題は小さいですよね。
細かなテクニックだとは思いますが、頭に入れておいても良いのでは無いでしょうか。
問題文を読んでおくと状況設定を読むときのポイントをつかみやすい
問題文を読んでおくと、別のメリットもあります。状況設定を読むときのポイントがつかみやすいのです。
高校受験や大学受験の国語や英語の試験で、問題文を先に読んでから長文を読むというようなことをしますよね。FP3級の実技試験でも、同様のことをすれば良いわけです。
実例を見てみましょう
本当にここまで書いたような状況であることを、実例を見て確認してみましょう。
2014年度9月実施の3級個人資産相談業務からです。金融財政事情研究会で行われている方の試験ですね。
この大問の2番目では、株式投資に関する問題が出題されています。具体的な状況設定は、次のような感じです。
そして、この問題に関しては、3つの小問が付いています。最初の2つは、状況設定が無くても解答が可能です。
小問の1つ目
先ず1つ目は、次のような質問です。
《問4》 株式の購入方法についてMさんがAさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして最も適切なものは,次のうちどれか。
「国内上場株式の売買注文方法の1つに,価格をあらかじめ指定して注文をする( ① )注文があります。同一銘柄に対して,( ① )による買付注文が複数ある場合,価格の( ② )注文から先に買付が成立します。また,( ① )注文による買付において,指定した価格よりも低い価格で買付が成立すること( ③ )」
(選択肢は省略)
この問題は株式売買の一般的な知識についての設問です。ですから、状況設定の説明は全く必要ありません。問題文と選択肢だけ見れば、解答できてしまいます。
小問の2つ目
続いて2つ目は、次のような質問です。
《問5》 X社株式についてMさんがAさんに対して行った説明に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
1)「X社は,主な原材料を海外から輸入しているため,一般に,円安の進行は株価にとって好材料となると考えられます」
2)「X社は前期に1株当たり5円の配当金を支払っていますが,配当金の額はX社の業績等により変動することがあります」
3)「X社の過去3年間の業績を勘案すれば,X社株式の株価は今後必ず上昇しますので,ご購入をおすすめします」
選択肢の2番目は、状況設定を読んでいないと解答することが出来ないように感じるでしょう。しかし問題文を読んでみると、最初と最後の選択肢は、常識で判断することが可能です。
まず、「1)」は明らかに間違いです。「原材料を海外から輸入」するタイプの企業では、円安は明らかにマイナス材料です。ですから、残り2つの選択肢に正解がある事になります。
「2)」は「前期に1株当たり5円の配当金」云々という記述の正誤はわかりません。ただ、それ以外の部分に関しては正しいことが書かれています。
「3)」は明らかに間違いです。なぜなら、「今後必ず上昇します」というのは誰も言うことが出来ないからです。業績が良くても、株価が下がるのは、珍しいことではありません。業績が良くても期待したほどで無ければ、株価は下がったりします。
ここまで来ると、正解は「2)」以外にはあり得ないことになります。状況設定を読むことなしに正解が出来る分けです。
ということで、3つ中の2つは、状況設定が分からなくても正解できるのです。
小問の3つ目
続いて、小問の3つ目も見ておきましょう。
《問6》 X社株式の投資指標に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1)PER(株価収益率)は,18倍である。
2)PBR(株価純資産倍率)は,1.35倍である。
3)ROE(自己資本利益率)は,5%である。
これに関しては具体的な数字が必要なので、この選択肢だけでは正解はわかりません。ただ、先に問題文を読んでおけば、どの数字を拾えば良いのかが分かります。問題文を読む効率がかなり良くなるでしょう。
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