FP2級の過去の合格率を見ると、日本FP協会の資産設計提案業務が突出して高いようです。これは、資産設計提案業務の問題が著しく易しいということなのでしょうか。あるいは、何か他の要因があるのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。
資産設計提案業務の合格率が常に高い
このサイトでも説明しているように、2級FP技能検定の実技試験は、5科目の中から選ぶことが可能です。その5科目の過去の合格率をみていると、面白い傾向に気が付きます。日本FP協会が行っている資産設計提案業務の合格率が、突出して高いように思われるのです。
具体的に3つほど、さかのぼってチェックしてみましょう。
まずは、2014年9月の実技試験の合格率は以下のような感じになっています。
- 個人資産相談業務:31.64%
- 中小事業主資産相談業務:39.46%
- 生保顧客資産相談業務:24.90%
- 損保顧客資産相談業務:62.79%
- 資産設計提案業務:53.33%
この回では損保顧客資産相談業務が高いですが、資産設計提案業務はそれに告ぐ高さです。しかも、他の科目と比べるとかなり高いことが分かります。生保顧客資産相談業務などと比べると、倍以上の合格率ですね。
次に、2014年5月の実技試験の合格率です。
- 個人資産相談業務:33.61%
- 中小事業主資産相談業務:-
- 生保顧客資産相談業務:41.86%
- 損保顧客資産相談業務:-
- 資産設計提案業務:62.28%
この回では試験が行われていない科目もあります。ただ、試験が行われている他の2科目と比べると、資産設計提案業務の合格率はかなり高いです。
最後に、2014年1月の実技試験の合格率です。
- 個人資産相談業務:25.94%
- 中小事業主資産相談業務:32.60%
- 生保顧客資産相談業務:33.71%
- 損保顧客資産相談業務:-
- 資産設計提案業務:59.94%
この回も同じ傾向ですね。個人資産相談業務と比べると、2倍以上の合格率がある事が分かります。
2014年9月の損保顧客資産相談業務1 を除くと、資産設計提案業務は常に他の科目と比べて、圧倒的に高い合格率を誇っています。これだけ見ると、得点しやすい科目だと考えるのも無理は無いですよね。合格基準は一緒のはずですから。
単純に資産設計提案業務が易しいとはいえない
この結果だけを見ると、確かに資産設計提案業務の方が易しいように思えます。しかし、実際には、必ずしもそうは言えないようです。なぜかと言うと、学科試験の合格率も日本FP協会での受験者の方が高いからです。
まず、金融財政事情研究会の学科試験の合格率は、以下のようになっています。
- 2014年9月:23.35%
- 2014年5月:26.78%
- 2014年1月:15.97%
次に、同じ試験での日本FP協会の学科試験の合格率です。
- 2014年9月:41.85%
- 2014年5月:43.40%
- 2014年1月:31.46%
こうして比べてみると、日本FP協会の方が学科試験の合格率が明らかに高いのです。2倍とまでは言いませんが、それに近いくらいの合格率を誇っています。
ご存知の方も多いとは思いますが、学科試験に関しては日本FP協会も金融財政事情研究会も同じ問題を使っています。つまり、同じ問題を使っているにもかかわらず、日本FP協会の方が合格率がこれだけ高いわけです。
日本FP協会の受験者の方が質が高いと考えるのが自然
この結果を見ると、日本FP協会の受験者の方が明らかに質がいいと考えざるを得ません。もう、それ以外には説明のしようがありませんよね。
ということは、資産設計提案業務の合格率が高いからといって、この科目が易しいということにはならないわけです。優秀な受験者が集まったから、合格率が高くなったという可能性が大きいのです。逆に試験が難しい可能性すら存在します。
個人的な感覚では、資産設計提案業務と金融財政事情研究会の各科目の試験には、難易度の点では大差が無いように思われます。個人的な問題の相性みたいなものもあるでしょうから、、自分の目で確認して、どちらを受けるか決めるしかないでしょう。
ちなみに、受験資格さえ満たしていれば、日本FP協会でも金融財政事情研究会でも受験することは可能です。つまり、一番合格しやすそうな科目を選んで受験することが出来るわけです。
こういう部分にこだわる人は、時間をかけてチェックしてみると良いかもしれません。
- ちなみに、損保顧客資産相談業務は、年に1回しか行われないちょっと特殊は科目です。受験者数も少ないので、ちょっと参考にはなりにくいです。 [↩]
FP2級の通信講座(AFP認定研修)ならECCがおすすめ
FP2級の試験対策にはECCの通信講座がお勧めです。
この講座はAFP認定研修なので、修了すればFP2級の受験資格が得られます。また、合格率が非常に高いのに料金が安いと、いい事づくめです。
確実に合格したい人は、チェックしてください。

スポンサードリンク
スポンサードリンク