FP2級実技試験の損保顧客資産相談業務って、どんな問題が出題されるの?

前のページで書いたように、個人的には2級FP技能検定の実技試験である損保顧客資産相談業務という科目の存在意義に、少し疑問を持っています。FP業務と損保って、結びつきにくいんですよね。実際のところ、受験者も少ないですし。

とは言え、この科目が合格しやすいのだとすれば、あえて拒む事も無いでしょう。2級FP技能士という肩書きが重要と考えている人なら、公式に認められている限り、どんな方法で受験しても良いわけですから。

そこでこのページでは、損保顧客資産相談業務の過去問についてチェックしてみましょう。

全体的な構成

今回は2013年9月実施の損保顧客資産相談業務の問題から、出題傾向を見ていきましょう。

まず全体的な構成ですが、大問が5問あります。それぞれの大問の中にいくつかの小問が入っているという構成です。これは他のFP2級の実技試験の科目と同じつくりですね。

【大問1】公的年金制度について

大問の1つめは、公的年金制度についてでした。損保と全然関係ない内容です。

ちなみに、大問の1問目は、他の実技試験の科目でも似たような問題が出題される傾向にあります。ですから、それに合わせているのでしょう。

【大問2】地震保険と自動車保険

大問の2問目は、地震保険と自動車保険の問題です。損害保険の代表的な商品の、基礎的な知識を問う問題と言って良いでしょう。

率直にってこの問題は、ファイナンシャル・プランニングとはほとんど関係が無いように思われます。リスクマネージメントの問題という感じのほうが強いです。

リスクマネージメントがファイナンシャル・プランニングの一分野という事なら、完全に無関係とは言えないかもしれませんけどね。

もちろん、FP技能士を目指すなら、知っておいた方が良い知識なのは間違いありませんけどね。でも、実技試験で出てくると、ちょっと違和感を感じます。

幅広い知識が問われる学科試験なら、まだ分かるんですけどね。

【大問3】損害保険を使った企業のリスクマネージメント

大問の3は、企業をテーマにした問題です。損保を使ってリスクマネージメントをしようという内容になっています。

大問の中には3つの小問があります。1つ目は自動車保険の取り扱いに関してです。企業と個人では、扱いがちょっと違います。

2つめは労働災害総合保険という保険商品に関する問題です。そして3つ目が、積立普通傷害保険という商品の経理上の処理に関する問題です。

これも、「ファイナンシャル・プランニングといって良いのかなあ?」という印象は残る問題です。プランニングというよりは、やっぱり、リスクマネージメントという感覚が強いんですよね。

【大問4】退職後に起業した人の税金

大問の4つめは、退職後に起業した人の税金に関する問題です。他の実技試験の科目でも出てきそうな問題ですね。

確かにこれは、ファイナンシャル・プランニングの一部に含めていい知識でしょう。税金は毎年のことですから、金銭的な計画を立てようと思えば、税金の知識は必須です。

でも、損害保険に関しては、全く関係ありませんでした。

【大問5】相続の知識

大問の5つ目は、相続に関する知識です。これも、他の実技試験で問われそうな内容ではあります。相続に関しては、事前に金銭的な準備が必要だということを含めて考えても、確かにファイナンシャル・プランニングの問題と言ってよさそうです。

この問題で興味を持ったのは、相続の事例を考える際に、傷害総合保険という損害保険の商品を絡めてきている点です。つまりこの問題は、ファイナンシャル・プランニングと損害保険がともに関係している例だといってよさそうです。

ここにきて初めて、FP技能検定の損保を絡めた実技試験というような問題が出てきました。といっても、小問の一問で使われただけなんですけどね。

でも、まあ、この問題に関しては、損保顧客資産相談業務というタイトルどおりの問題な気がします。

やっぱり納得がいかないなあ

ここまで見てきたように、ファイナンシャル・プランニングに損害保険を含めて考えるというような問題は、ほとんど出題されていませんでした。小問が1問だけです。

こうやって見てみると、やっぱり、損害保険はファイナンシャル・プランニングとは相性が悪い気がします。

具体的に書くと、ファイナンシャル・プランニングをテーマにした問題には、ほとんど損害保険は関係ありませんでした。逆に損保分野の知識を問う問題には、ファイナンシャル・プランニングの知識は必要ありませんでいた。

損保がらみで出てきたのは、ファイナンシャル・プランニングの問題というよりは、リスク管理の問題という感じだったのです。

リスク管理も、もしかしたら、ファイナンシャル・プランニングの一部に含まれるのかもしれませんけどね。でも、個人的には、かなり違和感を覚えるのです。

その意味では、損保顧客資産相談業務という科目を実技試験に含めるのは、ちょっと納得がいかない部分ではあります。これが生命保険だったら、ファイナンシャル・プランニングと絡めた問題が簡単に作れるんですけどね。実際、そういう出題も多いですし。

得点のしやすさという点ではどうだろう?

ただ、試験問題の難易度としてみると、必ずしも難しい問題では無いように思います。実際、この2013年9月の合格率は、64.43%もあるようです。

ですから、この分野の知識に自信があるというのなら、試験で選択しても良いのかもしれません。過去問はネットでチェック可能なので、興味があったら一度目を通してみると良いでしょう。

試験として合理的なのかという視点と、合格しやすいのかという視点は、あくまで切り離して考える必要があります。試験科目として認められているものですから、利用できるものなら利用していきましょう。

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