FPは能力が低いと思われている?| こういうのをみると…

一部の人は、FPは能力が低いと思っているようです。そして、そう思われるのも仕方がない部分もある気がします。

というのも、小学生レベルの算数が出来ていないのです。それがYahoo!ニュースに記事に載ってしまいました。

そりゃ、馬鹿にもされますわ。そういうお話です。

FPは少し低く見られている?

あくまで個人的な印象ですが、FPというのはあまり能力が高くないと思っている人が多いような気がします。率直に言ってイメージはあまり良くないです。

金融の知識がない一般の人は、さすがにそこまでは思っていないでしょうけどね。一般の人でも金融に詳しい人や、違う分野の専門家からみると、能力が落ちるように見られている気がするのです。

そして、こう見られるのは、ある意味仕方がない部分もあります。FPに求められる知識の範囲はかなり広いので、分野によっては十分な知識を持っていないケースもあるからです。

例えば、税理士などの特定の分野の専門家には、税の知識に関してはどうしても勝てませんしね。一つ一つの分野で見ていくと、すべての分野で中途半端な知識しか持っていないのです。

金融の基礎知識レベルですら知らないことも

こういう理由で能力に疑問を持たれるのなら、ある程度は納得するしかありません。それに、広い範囲の知識を持つという総合力で、能力がある事を見せれば良いわけです。

ただ、実際には、もっと低い次元で能力が無いFPもいるようです。一つは、基礎知識のレベルで金融を理解できていないFPです。

リスクとリターンに関する誤解

一つ例を挙げてみましょう。

以前FPが書いたある本で、「株式は価格変動が大きいから儲かる可能性が大きい。これがハイリスク・ハイリターンだ」というようなことが書いてありました。

でも、これは、明らかな間違いです。金融でリスクというのは価格変動です。この部分はいいでしょう。

問題はリターンです。リターンというのは、「平均すると1年後に何%儲かるか」という考え方です。

株式の場合は平均すると、5%~7%程度株価が上がると考えられます。これは債券などと比べて大きく儲かるのでハイリターンなのです。

つまり、株価の変動が大きいから瞬間的に株価が高くなる。だからと言ってハイリターンといえるわけではないのです。

平均して0ならリターンは0

一時的に株価が高くても、平均してプラスマイナスでゼロだっら、リターンはゼロです。こんなもの、投資には値しません。

こんなこと、金融の基礎なんですけどね。

ただ、こいう言う思い違いをしている人は少なくありません。FPがこの手の間違いをしているのを見た記憶は、1度や2度ではないのです。

しっかりしてください。

小学校レベルの算数が出来ないのか?

上に書いたリスクとリターンの話は、私の中ではFPが無能とみられる最大の理由だと思っていました。でも、もしかしたら、問題はもっと深刻なのかもしれません。

というのも、小学校レベルの算数すら苦手な人がFPをやっている可能性があるのです。率直に言って、これを目にしたときに、相当驚きました。

「AかつB」の確率が「B」の確率より高いって何だ??

具体的には、ファイナンシャルフィールドという媒体の「医療保険とがん保険は両方とも加入すべき? 医療保険で十分な保障が得られないのはどんなときか」という記事に問題の部分がありました。この媒体の記事は、Yahoo!ニュースにも転載されています。1

この記事に驚くような記述があったのです。引用してみましょう。

命保険文化センターが公表した「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査 速報版」によると、民間の生命保険加入世帯(かんぽ生命を除く)における医療保険・医療特約の世帯加入率は88.5%です。また、がん保険・がん特約の世帯加入率は62.8%となっています。

つまり医療保険に加入し、さらにがん保険にも加入している人の割合は約7割(0.628÷0.885≒0.709)ということになります。

一応、証拠として、画面の該当部分のコピーも貼っておきましょう。

FPによる初歩的な計算ミス

この部分は、どの角度から見ても間違っています。

まず、「医療保険に加入し、さらにがん保険にも加入している人の割合」について説明している部分に注目してください。記事の中ではこの割合は7割としていますが、この割合が7割のハズがありませんよね。

なぜかというと、がん保険・特約に入っている割合が62.8%しかないからです。62.8%より大きくなりっこないのです。

というのも、「がん保険に入っている割合」よりも「医療保険とがん保険の両方に入っている割合」の方が大きいことは絶対にありえません。よほど算数が苦手でなければ、考え違いをしていると気づくレベルの間違いです。

謎の計算式が出てきたぞ

まあ、これだけなら、ちょっとした勘違いかもしれません。でも、「0.628÷0.885≒0.709」という計算式がでてくるのが、私の疑問を深めます。

医療保険に入るという決断と、がん保険に入ると言う決断を完全に独立に行うと仮定します。すると、両方の保険に入る確率は次のようになります。

両方の保険に入る確率
= 医療保険に入る確率 × がん保険に入る確率
= 0.628 × 0.885
≒ 0.556

このような計算なら、計算式の意味はとおります。でも、割り算は出てくるはずがないのです。

とは言え、この計算も実は正しくありません。というか、前提が間違っています。

がん保険の方は、医療保険の特約も含まれています。ですから、この調査において、両方の契約は独立したものではありません。

ということは、そもそも与えられた情報から「医療保険に加入し、さらにがん保険にも加入している人の割合」なんて知りようがないのです。計算できないことを気づかないとしたら、やっぱり算数が苦手なのかと思ってしまいます。

媒体も大丈夫?

この点に関しては、編集は何をしてたのでしょうか。専門的な内容ならともかく、小学生の算数レベルの間違いなのですから、編集者がチェックできると思うのですが。

ファイナンシャルフィールドなんていう名前をつけているわけですから、編集も真面目にやってほしいものです。こちらにもがっかりです。

そりゃ、馬鹿にもされますわ

FPを名乗る人が、このレベルの間違いを犯してるわけです。そりゃ、他分野の専門家から馬鹿にされるのも分かります。

しかも、個人のブログレベルならともかく、Yahoo!ニュースにまで載ってしまったわけですからね。まあ、このレベルの間違いがあるうちは、FPの信頼は高くならないでしょうね。

もちろん、能力が高い人もいるのですけどね。やれやれ。


  1. 医療保険とがん保険は両方とも加入すべき? 医療保険で十分な保障が得られないのはどんなときか
    2018/12/14(金) 17:30配信 ファイナンシャルフィールド []

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