前回1 、前々回2 に引き続き、金融財政事情研究会のサイト内にある「ファイナンシャル・プランニング技能検定 試験科目及びその範囲」というドキュメントを使って、試験範囲についてチェックしてみましょう。このページでは、「A ライフプランニングと資金計画」の中の「6. 企業年金・個人年金等」について見ていきます。
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出題範囲は膨大なように見えますが
この分野に関しては、毎回1問から2問の出題があるようですね。出題される内容については、比較的易しい問題が多いという印象です。
なじみがない人が多いでしょうからね。その分、問題を易しくしているのではないでしょうか。
ちなみに、具体的な試験範囲は次のような感じです。
1. 企業年金に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 企業年金の全体像
(2) 厚生年金基金の仕組み
2. 確定給付企業年金の仕組みと、退職給付会計について概略の知識を有すること
3. 確定拠出年金に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 企業型年金の仕組み
(2) 個人型年金の仕組み
(3) 運用と給付
4. 確定拠出年金に関し、既存制度からの移行について概略の知識を有すること
5. その他の年金制度に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 生命保険等を活用した非適格年金制度の仕組み
(2) 中小企業退職金共済制度の仕組み
(3) 小規模企業共済制度の仕組み
(4) 国民年金基金の仕組み
6. 個人年金に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 個人年金とは
(2) 個人年金の分類
(3) 各業態別個人年金商品
7. 財形年金に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 財形貯蓄制度の概要
(2) 財形年金の仕組みと商品
これまた、試験範囲はかなり広いのですが、実はひとつ前の公的年金や、もう一つ前の社会保険と比べると、覚えることは多くありません。概要だけ知っていると正解できる問題が多いです。
時間がないなら「確定拠出年金」だけでも完璧に
その中でも特に注目したいのが、「確定拠出年金」です。実は、これを書いている2017年12月時点から過去8回を調べてみたのですが、そのうち6回で確定拠出年金の問題が出題されていました。
具体的には2016年と2017年はすべての回で出題されています。政府がiDeCo の名前で個人型の制度改正をし、周知を図ったのと連動しているという事でしょう。
また、出題されなかった2015年の2回でも、タックスプランニングの範囲などで確定拠出年金の知識が問われていたりします。つまり過去8回では、何らかの形で確定拠出年金の知識が問われているわけです。
つまり、とりあえず確定拠出年金に関しては勉強しておくべきだという事です。これだけ高い確率で出題されているわけですからね。その上、確定拠出年金では、公的年金のように難しい問題は作りづらいでしょうから。
時間に余裕があれば国民年金基金と中小企業退職金共済制度
そのほかの問題ですが、中小企業退職金共済制度が3回と国民年金基金が3回出題されていました。こちらの方も、基本的な問題が中心でした。
ちなみに、国民年金基金は国民年金と名前が似ていますが、全くの別物です。意外と混同してる人も多いようですけどね。
「中小企業退職金共済制度」は、一般的にはあまりなじみがない仕組みでしょう。でも、試験では意外と問われているんですね。ちょっと意外でした。
ということで、山を張るなら「確定拠出年金」「中小企業退職金共済制度」「国民年金基金」あたりを勉強するのが賢いでしょう。実際問題として、この辺りは実務的にも知っておいた方が良い部分でしょうしね。
重要性が低い分野もある
逆に言うと、例えば「財形年金」に関しては、それほど知る必要があるとは思えません。というのも、確定拠出年金と比べて、有利とは言い難い制度だからです。
また、低金利のご時世ですから、資産運用の商品としての魅力もありません。制度的な縛りがある上に、それほど有利ではないというのが現状です。
以前はよく使われていましたが、今は知らなくても良いかなあという印象です。終わった仕組みという感があります。
ポイントを絞れば時間の短縮になる
このように、「6. 企業年金・個人年金等」に関しては、ポイントを絞って勉強することが大事でしょう。分野で言ったら確定拠出年金が必須で、時間があれば中小企業退職金共済制度と国民年金ですね。
また、学習か所の中でもポイントを絞って覚えるべき部分を絞るべきです。確定拠出年金制度を1から10まですべて覚える必要もありません。
そうやって勉強すれば、かなり時間の節約につながります。要領の良さを求められる範囲だと思います。
「7.年金と税金」も軽くチェック
続いての「7.年金と税金」も、軽くチェックしておきましょう。「7.年金と税金」については、次のようなところから出題されるそうです。
1. 公的年金等に係る税金に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 課税の仕組み
(2) 公的年金等の範囲
2. 個人年金(財形年金を含む)に係る税金に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有する
こと
(1) 個人年金の掛金に対する税の取扱い
(2) 個人年金の受取金に対する税の取扱い
3. 企業年金に係る税金について一般的な知識を有すること
色々書かれていますが、結局のところ、タックスランニングで学ぶべき内容が多いような気がするんですよね。また、この分野だけが独立して出題されることも少ないようですから、とりあえず無視しちゃっていいのではないかと思います。
率直に言って、この分野から難問が出題されても、「ついてなかった」と割り切るしかない気がします。なかなかここまでは手が回らないでしょう。もっと優先して学ぶべきことがあります。
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タグ: ファイナンシャル・プランニング技能検定 試験科目及びその範囲, 中小企業退職金共済制度, 国民年金基金, 確定拠出年金