前回1 に引き続き、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 試験科目及びその範囲」というドキュメントをチェックしてみましょう。FP2級の学科試験では、捨てなければいけない分野があることが分かるはずです。
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「社会保険」と「公的年金」ってジャンル分け、変じゃない?
今回引っかかったのは、「社会保険」と「公的年金」の分野の出題範囲です。正確に書くと「A ライフプランニングと資金計画」の中の「4. 社会保険」と「5.公的年金」というところです。
まず、ジャンル分けがちょっと気になります。試験範囲のドキュメントでは、単に「社会保険」と呼んでいますが、内容を見るといわゆる労働保険も範囲に含まれています。まあ、広義の社会保険位は労働保険も含むという考え方もありますから、あながち間違ってはいないのかな。
でも、社会保険には公的年金も含みますからね。その意味ではやっぱり、このジャンル分けは分類上正しくありません。試験出題の都合で、こんなふうになっているのでしょうけどね。
ちょっと細かい話でした。
「社会保険」「公的年金」の出題範囲がエグい
さて、社会保険に関する具体的な出題範囲ですが、次のように書かれていました。
1. 社会保険制度の全体像について一般的な知識を有すること
2. 公的医療保険に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 公的医療保険の全体像
(2) 健康保険の仕組み
(3) 国民健康保険の仕組み
(4) 退職者及び高齢者向け公的医療制度
(5) 公的介護保険の仕組み
(6) 公的医療制度の最近の動向
3. 労働者災害補償保険に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 労働者災害補償保険の仕組み
(2) 保険給付の種類と内容
(3) 特別支給金制度
(4) 特別加入制度
4. 雇用保険に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 雇用保険の仕組み
(2) 失業等給付
(3) 雇用保険二事業
5. 育児休業、介護休業について一般的な知識を有すること
次に公的年金の出題範囲です。
公的年金制度に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること
(1) 公的年金制度の全体像と最近の動向
(2) 国民年金
(3) 厚生年金保険
(4) 共済年金
(5) 老齢給付
(6) 障害給付
(7) 遺族給付
(8) 併給調整
(9) 離婚時年金分割
(10) 請求手続
項目の数だけで、圧倒されてしまいます。しかも、リストを見ただけでは分かりませんが、一つ一つの項目に含まれる学習すべき事柄が多いんですよね。
試験範囲が広すぎます
前回に引き続き、思わず失笑してしまいました。これだけ広い範囲で、学科試験で出題されるのは各1問程度ですからね。
しかも、前回ご紹介した「ファイナンシャル・プランニングと関連法規」の範囲は知識がなくても解ける問題が出たのに対して、社会保険と公的年金に関しては本当に知らないと解けない問題が出題されます。
これだけの知識があるなら社会保険労務士を目指すはず
この出題範囲だけを見ても分からないと思いますが、実はこの範囲は社会保険労務士の試験の出題範囲並みに広いのです。本当にこの範囲の一般的な知識を持っている人なら、FP技能検定ではなく、社会保険労務士を目指すでしょう。私ならそうします。
FP2級を持っていても、何の自慢にもなりません。金融に関しての一通りの常識があると思ってもらえる程度でしょう。
でも、社会保険労務士を持っていたら、多少は自慢になりますからね。少なくとも、頑張って難しい資格を取ったくらいの評価は受けるでしょう。就職や転職をするにも、多かれ少なかれ評価されるでしょうし。
捨てるのも試験対策
この両分野に関しては、勉強していたら何時間かかるか分からないほどボリュームが多いです。また、それ以上に複雑です。その上、「一般的な知識」とあるだけですから、どこまで勉強すればいいかもよくわかりません。
はっきり言って、こんなものに時間を使っている場合ではないでしょう。試験での重要度は低いと、バッサリ切ってしまった方が得策です。
「公的年金」に関しては、学科試験でも頻出ですし、実技試験でも公的年金を絡めた問題が出題されます。ですから、完全に切ってしまう事は出来ないでしょうけどね。
ただ、やっぱり、FP技能検定のために、必要なすべての知識を身につけるのは不可能です。実技試験で問われそうなところと、学科試験で頻出な事項だけ覚えておくのかな。
「社会保険」の分野は、本当にバッサリといってしまうべきです。
FPとしては知っておきたい知識
ただ、FPとしての実務上は、社会保険の知識は非常に大事なんですよね。
例えば、病気で入院した時の生活費をどうするか考える時に、健康保険の知識は必須です。その上、傷病手当金という生活費の補助として使えるお金が健康保険から出たりするのです。これがあると、医療保険の必要性が小さくなり、プランニングにも影響を与えます。
まあ、実務でFPがらみの知識を使う人は、テストが終わってから勉強するのかな。
何にしろ、試験を通るのが目的なら避けて通る方が良い部分です。時間は有限ですからね。
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タグ: ファイナンシャル・プランニング技能検定 試験科目及びその範囲, 公的年金, 社会保険, 試験範囲
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